大人になった今でも、飛行機を見ると胸が高鳴るのを抑えきれないのはなぜだろう。少年の頃、空を飛んでいる飛行機雲をいつまでも見上げていた。広くてどこまでも無限大に広がる空を、ゆっくりと移動している飛行機には、子供心に好奇心がいっぱいだった。そして、初めて乗った飛行機は、タラップを上がるだけでドキドキもの。ベルトをして滑走路をふわりと浮いた浮遊感、そして機内の窓から見える街や道路、山並み、みんなドンドン小さくなり、そしてミニチュア風景から、大地へと変わって行った。本当に空の上にいるんだと思うだけでとても嬉しかったあの頃。ずっと、飛行機の窓の外の風景に釘付けだった。大人になっても広い空を見かけると飛行機を探し、空を見上げてしまう。